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カテゴリ:たてもののこと( 12 )


2014年 06月 25日

かたちをかえて

今年の春に大々的なリフォーム工事をさせていただいた物件。
二間続きの和室を一間にする、というのが工事目的のひとつでした。

続き間がなくなると、欄間や吊束が不要になります。
そこで今回は、欄間は建具職人さんにお願いして、新しいお部屋の建具に。
そして吊束は、[なごみのき]さんの手によって、小さなうつわになりました。

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姿を変えて、役目を変えても、生き続ける。
こういう自由度にも、自然の素材のたくましさを感じることができます。

これからもずっと、K様ご家族と一緒にいてくれますように。
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by sumukoto | 2014-06-25 15:57 | たてもののこと
2014年 03月 09日

やねとひと

昨日、屋根葺きの現場へ見学をさせてもらいました。
筑後市にある[サンシカ]という建物の改修工事で、大分県の奥日田美建さんが葺き替えをされていました。

6年振りに再会した井手さん、三苫親方はじめ職人の方々は、快く素人を足場の上に招いてくださり、屋根をつくる一本一本の葦を間近に見て、職人さんの手になじむ道具たちに触れながら、かさかさとヨシがたてる音をBGMに屋根のお話を聞くことができました。

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この葦は、有明海で育ち、刈り取られたヨシ。
「今年の有明海のヨシはいい。熊本のカヤは、雪で倒れてダメだった。」とのこと。
身の回りの素材が住まいを作る、ということは、食べ物と同じでそれが育つまでの自然環境が大きく関わってきます。
台風などで稲がダメになると、いい藁もとれずに丈夫な縄が編めない。
竹は、ほんの数年でも山の整備をしないと、伐りに行くのも一苦労。
丸太だって、頃合いで間伐しなければ、いい太さの材に出会えない。
カヤの刈り取り作業は天気のいい日でないとできない。
そういう風にして調達された素材が、ひとの手で建物に変わっていく。
自然と住まいとひととが直結した暮らしだったんだ、ということ。

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我が家も30年前までは、葦葺き屋根。
今思い返せば、あの家も、向こうの家も、あそこにあった建物も・・・ まだ近所には葺き屋根の家が残っていました。
でもそれもほんの30年の間に、ほとんど無くなってしまいました。
資材価格、生産体制、職人の数、生活スタイル、好み、デザイン、法律・・・
いろんな変化が、まちなみをつくる建物の変化に影響してきます。

変化するのは時代の流れ。
ただ、建物をつくる側として、それを、選択肢を狭めるという意味にしてはいけないな、と思います。
法律的な問題をクリアするのはたしかに限界があるとは思うのですが、
カヤ葺きにしたい、手刻みにしたい、土壁にしたい、という要望が出たときに、その引き出しを自分の中に持っておくことができるように、いろんな職人さんに出会いたい、見ておきたい、知りたい、と思っています。

というわけで、いろんな現場に顔を出すことがありますが、
ぜひ受け入れていただくよう、よろしくおねがいいたします(笑)

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by sumukoto | 2014-03-09 10:16 | たてもののこと
2013年 10月 06日

ごえん

昨日は2軒の上棟式でした。
1軒は、満原建設の物件、もう1軒は、去年独立した職人さんの物件で、設計でお世話になったお宅です。

雨でどうなるかと思いましたが、夕方には少し小降りになり、無事にひっとんげ(餅まき)も行うことができました。
このあたりの地域では、お餅と一緒に、縁起ものの五円も振る舞われます。

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そしてこれは、これまでの五円たち。
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父がまだまだ私より若かった頃からの、上棟式の五円が神棚に上げられています。

上棟式は、日頃お世話になっているいろいろな業種の職人さんが手伝いに来てくれます。
そして、施主さまのお友達、家族、兄弟、親せき、近所の方々・・・ たくさんの方が集まります。
そこで私たちの仕事を見ていただいたり、昔の話を教えてもらったり、いろんな会話が生まれたり、
子供たちがソワソワしてたり、いい匂いが漂って来たり、あっちこっちで笑い声が聞こえたり。

たくさんのお餅や五円やお菓子やお酒を持ち帰る人に、怒ってる人は一人もいません。
みんな、笑顔です。

こういう風に、家を建てるというのは、自分たち家族だけのものではなく、
不定期に起こる地域や会社のイベントとしても大切なんだな~と思います。
これがきっかけでお仕事を頂くこともあるし、久しぶりな人にも会えることも。

【餅まき】をすることは決してきまり事ではないし、施主さまの負担もあるし、もちろん強制もしないのですが、
こういう楽しみが家づくりの中にあるって、やっぱりいいですね。
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by sumukoto | 2013-10-06 11:10 | たてもののこと
2013年 08月 20日

たてまえ

先週末、渡り腮(わたりあご)構法による建前学校へ参加してきました。

大工塾の講義や実験にはこれまで参加してきましたが、実際の建前は今回が初めて。

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接合に金物を用いず、込み栓で。
筋交いはなく、貫と土壁で。
できるだけ長い梁を使い、構造材はほぼ化粧材。
外材を使用せず、植林された国産の木を選択する。
ゴミにならない素材でつくる。


柱と、貫と、梁・桁との関係性を考え、手順をたどり、進めていく作業。
10人の職人さんが材木を組み上げ、【家】にしていきます。

その様子を、足場の上から下から、時には上から落ちてくる汗を受けながら、一日中、観察観察。
棟梁の武田さんの墨付けに感動し、
設計者の丹後さんの手書きの図面に見とれ、
杉岡さんの木材の美しさに驚きます。

建築はすべてが手作業。
同じものはなく、正解もない。

うまれていく場所に立ち会うことは、本当に面白いです。

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by sumukoto | 2013-08-20 10:38 | たてもののこと
2013年 02月 28日

家をたてるということ

木造の家を建てる、ということは、
木材を使う、ということ。

とある相談を受けて見せてもらった、某有名ハウスメーカーの標準仕様書に、
 「柱:杉 芯持ちムク国産材」と書かれていた。
他の材を見てみると、
すべてといっていいほど、米松。

米松だって立派な材料だし、米松の良さがある。
それは理解できますが・・・

近くの山にこんなにたくさん、立派な杉が生えているのに、
それを使わずわざわざよその国から持ってきた材料なんか使うから、
何十年もかけて育てられた杉一本が、かつ丼と同じ値段になってしまう。。。
 ※かつ丼については、こちらのブログをぜひ読んでください。
   オビダラ日記~飫肥杉ダラケのまちづくり 「杉をつかうということ」


家を建てる際の打ち合わせで、
構造となる部分にどんな材料が使われているのか、
という話ができているか。

間取りができたら、キッチンや、お風呂や、壁紙や、屋根の色や・・・
ハイテクな設備もあるし、素晴らしい性能を持つ建材もある。
もちろんそれらも大事で、とても楽しいことだけど、
そもそもの部分がどうなっているのかを、通り過ぎていやしないか。

家をつくるということは、
山を育てるということ。

そこに行きつくことを、私はもう少しきちんと伝えていかなくてはいかないのだ。
それが小さな小さな工務店の私たちに出来ること。

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                                          ※写真はヒノキ。

宮崎県日南市では、平成25年2月25日に
「飫肥杉材等の地域材利用の促進及び豊かな森づくりに関する条例」
が議会により可決されました。

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by sumukoto | 2013-02-28 12:11 | たてもののこと
2013年 01月 30日

白石の恵みで建てる家

白石町内の建築関連業者が何人かで集まり、2年ほど前から、
自立循環型住宅についての勉強会をしてきました。

自分たちの住む場所(白石)の地域性を活かした建物ってどんなものなのか・・・。
どういうやり方なら、自分たちの持つ技術を活かしていけるのか・・・。
どういう提案をしていけば、地元業者が活気づいていくのか・・・

ゼロの状態からスタートし、まだまだ、まだま~だ~な感じですが、
私たちの考え方をまとめたパンフレットを製作。

ようやく私の手元にも届きました。

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白石商工会や、白石町役場等に設置されると思います。
もちろん、うちの事務所にもおいています。


デザインは、ユキヒラモノデザイン事務所。
中身はユキヒラさんのホームページに紹介していただいてます。

ご一読くださいませ。
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by sumukoto | 2013-01-30 10:07 | たてもののこと
2012年 12月 29日

のこしたいもの

「材木は、家ば建てる時、おいが山から伐りだして、牛使うて下ろして、ここまで運んできた。」

60年くらい前、開拓農民として新しい地に引っ越し、
じいちゃんが苦労して建てた家のそんな話を聞かせてもらったのは解体の時。

その思い出をどうにか形に残したくて、なごみのきの山上さんにお願いし、
ステキな器に姿を変えました。

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無数の虫喰い跡がありますが、それでも長い間家を支え、守ってくれた証です。

家の建て替えの話が出たとき、最初は反対していたじいちゃん。
でも工事が始まると、解体から竣工まで、毎日興味深そうに現場をのぞいていました。
すごくさびしい気持ちもあったと思いますが、完成を楽しみにもしてくれていました。
そしてこの器も、とてもとても喜んでくれました。

いろんな思い出を、この器を通じてずっとつないでもらえたらな、と思います。
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by sumukoto | 2012-12-29 14:09 | たてもののこと
2012年 11月 20日

おじいちゃんの木

来年リフォーム工事の予定で計画を進めているお宅のおじいちゃんが、
自分の山の木を使ってほしい、とご相談。

工事の話が出た8月、9月頃から一人で山に入って、手入れや伐採をされていたそう。

で、今日、運び出しに山へ。

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樹齢約60年のヒノキ。
おじいちゃんが自分で植えて、手入れして、自分で伐った木です。

市場で木材を買うよりも、自分で伐って運び出して製材する方がコストがかかってしまう、
というのが現状ですが、
それでも思いのある木を、何かしらのカタチで大切に使わせていただきたいと思います。

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小春日和の光が差し込むMさん山は、とても気持ちが良かったのでした。
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by sumukoto | 2012-11-20 16:05 | たてもののこと
2011年 11月 11日

2011.11.11

1が並ぶ今日はいろんな記念日があるようですが、
私は勝手に【火事には気を付けようデー】と思っています。

なぜなら、28年前の今日、実家であり事務所であるこの場所が火事になった日だから。

火災は本当に怖い。
建物が燃えるということは、家財道具、思い出の品々、お気に入りの服や本など、
建物の中にあるものも一緒に燃えるということ。
最悪の場合には、人の命も。

8ヶ月前に起きた震災以降、都会の木造住宅密集地の防災対策がテレビなどでも取り上げられています。
街並みが生まれたいきさつや、そこからの歴史、密集地だからこその近所付き合いやくらしもあるとは思いますが、早急に対策が必要とされるでしょう。
ただ、
木造だからダメだ!密集してるから取り壊そう!というやり方にならないように、
エネルギーとアイデアが必要とされてくると思います。

もちろん、建物にばかり機能を求めるのではなく、
そこに暮らす人間が用心して生きていくことも、忘れてはいけませんね。

火の用心。

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by sumukoto | 2011-11-11 14:35 | たてもののこと
2011年 03月 07日

いえ

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木と、土の家。N邸。
NPO法人循環型たてもの研究塾のスタッフとして最後に関わった住宅。

ここは、構造材・下地材、それに床材、壁材、外壁材はすべて佐賀県産材。
土や竹は、現場の隣町より。
内部建具だけでなく、外部サッシも佐賀県産の杉で作りました。

フローリングにビニルクロス、ユニットバスにシステムキッチン、樹脂サッシ。
一般的にこういった素材・建材が当たり前みたいな感じになっちゃってますが、
やっぱり私は、杉とか土壁が好きですね。

もちろん、予算や好み、用途に応じた素材選びが大事ですけどね。

竣工から一年がたち、またこういう家づくりがしたいな~と、思ったので書いたとこです。

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by sumukoto | 2011-03-07 14:53 | たてもののこと