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スムコト デザイン

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2014年 04月 10日

トウフ考

まずこのお豆腐のご紹介。
佐世保市重尾町にある【たべつむぎ豆腐店】のお豆腐です。

店主の松口さんがじっくりじっくり、あえて手のかかる方法で丁寧につくる、一日25丁限定の、お豆腐。
料理する時、松口さんの手仕事を無駄にしないように、どういう風にしていただこうかとぜいたくな悩み。
スーパーで買った豆腐には申し訳ないですが、包丁を入れる時の気持ちは全然違います。
作り手が見える、というのは、そういうこと。

トウフ考_b0193544_22474971.jpg



さて今日、2件の建物にお邪魔しました。
ひとつは、伊藤憲吾建築設計事務所さんの物件。
鉄筋コンクリート4階建ての住居兼クリニックで、クリニックの代替わりを機にプロの設計とプロの施工によるリノベーションが行われ、
まさに今日が引き渡し、という大切な時間に、見学させていただきました。


その後の帰り道に、さきほどのたべつむぎ豆腐店さんへ。
こちらは、築50年の木造民家を、店主の松口さんが自ら、大工工事から建具製作から電気工事(※資格アリ)までほぼ一人で手を加えて、豆腐やお弁当の工房を構えられ、
そして現在、さらにお店としての部分を改装中です。

まったく異なる性質のものではありましたが、どちらも、その建物に関わる人の思い入れが強く感じられ、やさしさがあり、きっとこの先も大切に使われていくんだろうな~という感じが伝わってきました。

建築は、くらしを囲む箱。
その箱に、どう飾り付けるすのか、中に何を入れるのか、はたまた、誰がどういった手法でその箱を作るのか。
そして、何がいいのか、どれを好むのか、どこにお金をかけるのか。
選びきれないほど山のように選択肢がある中で、でも一つとして正解はなく、ふたつと同じものは生まれません。

私は箱をデザインする者として、施主の気持ちやイメージにいかにして応えるのか。
押しつけでなく。主張もしつつ~。
この豆腐のようにシンプルに柔軟に~。
どんな味付けや装飾をされても、素材の良さをどこかに見出してもらえるように。
つくり手の思いを感じてもらえるように。大切に思ってもらえるように。
修行、修行です。


  しかくは豆腐、豆腐は白い、、、、
そこから何につなげていくかは、行きつくところなく無限。

by sumukoto | 2014-04-10 22:49 | つれづれ


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